カナダ大平原のファームからの便り

カナダ・サスカチュワン州の大自然の中で農業をはじめて約10年。カナダ人の旦那、二人の娘、犬と猫と牛たちに囲まれた日々の出来事を紹介したいと思います。

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最近のニュースより

1月15日(月)晴れ 最高気温 -16度 最低気温 -23度

寒波が過ぎ去りつつあり、今朝はマイナス23度でした。子供たちが学校に行く前の会話。

カンナ「お母さん、今日スカーフ要ると思う?」
私「いらないよ。だって暖かいもん。」
カンナ「ほんとだ、マイナス22度って書いてある」

何ごとも見方次第ということで・・・・

除雪作業もほとんど追いついて、あと2-3時間やれば牛の餌やり場も吹雪の前の時点と同じくらい道が広くなると思います。トラクターも調子よく動いたし、雪にはまったりしなかったし、個人的にはいい一日でした。

先週カナダの農業新聞にこんな記事が出ていました。サスカチュワンはカナダの後進国のようなところなのですが、農業が産業の中心というだけあって、サスカトゥーンにある「サスカチュワン大学」は、農業研究が盛んです。その中の「Vaccine Infectious Disease Organization・・・カナダ獣医感染症機構(ちょっとヘンな名称ですが、カナダ大使館のウェブサイトではこのように訳されています)」という組織が、牛のフンから、E-COLI(O-157菌)の元になるバクテリアを99.5パーセント取除くワクチンを開発したという発表がありました。

このワクチンを使うことにより、食中毒を劇的に減らすことができるということです。きちんと調理されていない挽き肉を使ったハンバーガーを食べたことによって食中毒になるケースはもうここ何年も聞いていますし、去年はO-157菌が混じった肥料がかかったレタス、ほうれん草などが問題になっていました。

このワクチンのこれからの課題はこのワクチン代を誰が負担するかということらしいです。きっとまた家畜生産者に降りかかってくるのだろうけど、このバクテリアによって牛が病気になるわけでもないのだから、家畜生産者にとってこのワクチンを使うメリットは直接的にはないわけです。

ワクチンを開発したことはすばらしいとは思うものの、O-157菌は家畜のフンの中に自然に存在するものなのだから、その後の流通過程にあるいは(野菜の)生産方式に問題があるのではないのだろうかと、疑問に思ってしまいました。北米では1ポンド(454グラム)の挽き肉には、平均250頭の牛の肉が混じっているといわれています(確かファーストフードネーションという本に書いてあった)。

カナダでは肉牛の個体識別耳標の装着が義務付けられています。それにより、もし狂牛病などが発覚したら、その牛がどのようなルートを通ってきたか分かるようになっています。耳標をつけることは義務ですが、その牛の生年月日の登録は生産者任意になっています。だからといって、生年月日を登録するとセリでの子牛の値段に反映するかというとそうではありません。このワクチンも耳標も、生産者が作業やコストを負担をするもののそれによる恩恵がほとんどないというのも残念な限りです。

最近は牛の値段がとても安いのですが(だから離乳した子牛たちはまだ家にいます)最近のフィードロットの言い訳は、
・餌にする穀物の値段が高すぎる。エタノール混合のガソリンが義務化され始めているので、そちらに回る穀物が増えて、飼料供給に影響があるのではと懸念もされている

・みんなアルバータ州、ノースウェスト準州とかの油田、鉱山(ダイヤモンドなど)の給料のいいところに働きに行ってしまって、フィードロットや食肉加工施設での求人がままならない。(一日だけニュースになったのは、マニトバ州の大手食肉加工業が、中国から何人か(数を忘れた)の人たちを雇ったのだが(多分就労ビザを出した)、その人たちがカナダに来るために一人あたり10,000ドル(百万円近く)をバンクーバーの仲介業者に支払っていたという事実が発覚した。その後ぷっつりとニュースから消えてしまったので、どうなったのか不明)

生産者はいつもトーテムポールの一番下にいるような気がします。


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  1. 2007/01/16(火) 14:09:46|
  2. | コメント:12
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コメント

雪かきも順調にいっているようで何よりです。
トーテムポールの一番下とは、いい例えですね。
こちらでも、格差社会とかワーキングプアとか、重いニュースがいっぱいです。心ある立派な指導者が出てきて、何とか明るい未来にしてほしいものです。
  1. 2007/01/16(火) 16:14:22 |
  2. URL |
  3. A&M #-
  4. [ 編集]

newsのソースは↓ですかね。
http://www.canada.com/saskatoonstarphoenix/news/business/story.html?id=7d94cafe-b5b0-472e-88d5-158b2d32f6a6

牛生産者にメリットが無いかというと微妙なところで、環境中に悪影響を及ぼす、と言うことで規制される可能性は無きにしもあらず、ですかねぇ。
  1. 2007/01/16(火) 17:06:15 |
  2. URL |
  3. Sekizuka #YqzQT8Bs
  4. [ 編集]

アハハ・・・VIDOは以前はVeterinary Infectious Disease Organizationという名称だったのですよ。それが数年前に、人間用のワクチン開発もしたいからってんで、最初のところがVaccineに変わったわけでして。
ちなみに私が最初に2年間働いてたのはそのVIDOで、O157のワクチントライアルの手伝いもちょこっとしたことがあったりして(これにまつわる裏話はいろいろあるので、今度お会いしたときにでも・・・)。
O157を排除することは、食の安全性を求めるという意味では重要なんでしょうけど、確かにその負担を生産者に求めるのは、何かが違ってるような気がしますね。
SK州の農業はカナダの根幹産業を支えていると思うので、国なり州政府なりが、農家をきちんとサポートしてくれなきゃダメじゃん、といつも思うのですが、どこの国も同じだけど、政治家ってお金の使い方わかってませんよね。
今日はようやく暖かくなるみたいで、牛たちもJunkoさんもホッと一息ですね♪
  1. 2007/01/16(火) 19:28:59 |
  2. URL |
  3. じゃすみん #-
  4. [ 編集]

Sekizukaさんへ

ご指摘ありがとうございます。生産者も消費者であるわけですから、「全くメリットがない」といってしまうのは正確ではないですね。もうちょっと婉曲な表現(笑)に訂正しておきます。

ニュースは、「ウェスタンプロデューサー(WESTERN PRODUCER)」という新聞で読みました。ウェブサイトもあるのですが、(WWW.PRODUCER.COMだったような)開くのに失敗しました。
  1. 2007/01/17(水) 02:24:16 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

A&Mさんへ

「ワーキングプア」って、まさに私のことではないですか!なんて張り切って言っている場合じゃないですね。私も明るい未来を望んでいます。(明るいのは例の二人組みだけ。未来はどうか知らないけど。明るいものであって欲しいです。)

  1. 2007/01/17(水) 04:39:24 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

じゃすみんさんへ

そうですよね。以前は絶対VETERINARYっていう言葉が入っていたはずなのに・・・・と思いました。

いろいろワクチンの研究をしているのは(乳房炎予防とか、じゃすみんさん研究してませんでした?)知っていましたけど、O-157もやっていたとは知りませんでした。アメリカと日本で共同して狂牛病の元になるプリオンのない(陰性プリオン?)牛を遺伝子組み替えによって開発したっていうのもニュースでありましたよね。向上のため(というのか?)の研究に終わりはないみたいですね。

でも、それと同時に全ての意味で大規模化が進んでしまって、「本来なる生き方」とか「生命のサイクル」とかのバランスが崩れているような気もしますが・・・・

  1. 2007/01/17(水) 04:49:28 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

餌の値段が上がったりワクチンなどが増えたりで年々生き物を飼育している農家は厳しくなってきていますよね。どうにかしてほしいですよね。

家はセントラルヒーティングなんてしゃれたものはついていないですよ~。何てったって牛舎の近くにあるのはプレハブ小屋ですから。子供がいつもお留守番する方のプレハブは石油ストーブと床暖です。子供が出来てからは灯油代がえらいことになっています。。。。。がんがん炊くと暖かくなりますが少し低い設定にすると寒くていられません。丁度良いがなかなか出来ないものです。
  1. 2007/01/17(水) 06:31:37 |
  2. URL |
  3. みもりの里のかあちゃん #F9ckFCGU
  4. [ 編集]

こちらも、飼料代上がってます。
配合飼料(穀物飼料)は今月から10%の値上がりです。飼料代、燃料代が上がり、生産物の値段は下がっていく。日本の(カナダも?)農業はどうなっちゃうんでしょうね。良いニュースはないものでしょうか?
  1. 2007/01/17(水) 21:03:12 |
  2. URL |
  3. カウベル #bV.rN02k
  4. [ 編集]

カナダも同じですか。
配合飼料の値上がりは。
  1. 2007/01/18(木) 20:10:25 |
  2. URL |
  3. 照長土井 #-
  4. [ 編集]

みもりの里のかあちゃんさんへ

暖房、石油ストーブだったんですか。子供がいると、「寒いといけないから」って心配しちゃいますよね。でも本人(たち)は結構平気みたいなところがありますけどね。
  1. 2007/01/19(金) 15:17:46 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

カウベルさんへ

どちらも同じですね。燃料代がどんどん上がっているのが、機械に頼らなければいけない私たちの辛いところですね。ディーゼル、ちょっと前まで一リットル50セントくらいだったのに今では80セントですよ。それでいて子牛の値段は下がる一方だし・・・・毎日餌やるためにトラクターを使わなくてはいけないから、バカになりません。
  1. 2007/01/19(金) 15:22:05 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

照長土井さんへ

私たちのように個人経営の繁殖農家は、配合飼料を買うことはないのですが、自分たちで穀類(大麦、オーツ麦など)を育てます。そのための肥料、農薬、燃料などなどどんどん値上がりしていきますし、干し草も自分たちで収穫するので、購入するのとはまた違うのですが、それにしたって機械代、燃料代がかかるので大変です。子牛を売ってもマージンが少ないので、数がないともうかりません。明るい話がほしいものです。
  1. 2007/01/19(金) 15:28:18 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

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