カナダ大平原のファームからの便り

カナダ・サスカチュワン州の大自然の中で農業をはじめて約10年。カナダ人の旦那、二人の娘、犬と猫と牛たちに囲まれた日々の出来事を紹介したいと思います。

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うちに帰る牛たち

11月2日(木)曇り時々晴れ 最高気温 -4度 最低気温 -9度

今日は風がなく時々太陽ものぞいたため、なんだか暖かく感じてしまう一日でした。もう11月になって放牧地の草もなくなってきているため、牛たちは次々に家に帰っていきます。

というのはうち以外のこと(ーー;)。うちのはまだビーバー谷の向こう側の放牧地にいます。グレッグによると、あと一月はそこにいさせるそうですが、さてどうでしょう。私は帰ってきてもらいたいし、牛たちだって帰りたいと思うけど。

2-3日前に近所の農家の人が来たので、「あら、久しぶり。寄ってけば?」と言ったら、「いや、牛が逃げちゃったんで探してるんだ。」とのこと。公共放牧地から親子の牛50頭ずつくらいを家につれて帰って、離乳して子牛を出荷したら、翌日親牛たちが家の柵から逃げ出して子牛を探しながら公共放牧地を目指して戻ってしまったというのです。11頭はその人のお父さんのファームで見つかり、5頭はまた別の人のところで見つかり、という風だったらしいのですが、まだ4頭見つからないとのこと。それまでいた公共放牧地までは10kmくらいあって途中に谷間とか林とかいろいろあるので見つけるのが大変といっていました。カナダの農業事情が良くないので、小さい農家の人たちは出稼ぎをすることが多いのですが、その人もその一人。「いつ帰ってきたの?」とグレッグが聞いたら、「おとといの夜」。一週間休みがあるのでその間に牛を放牧地から引き上げようと思っていたのに・・・・とぼやいていました。

私たちの土地の道をはさんだ放牧地に牛をおいているウィルソンさんが、「牛を連れて帰ろうと思うからお宅の柵まで連れてきていいか?」と昨日聞きにきました。その放牧地には牛たちを拘束して家畜トレーラーに乗せるための施設(というか、要するに柵)がないため、今までは簡易パネルをいくつも持ってきてその中に牛を集めてからトレーラーに乗せたり、馬で追いながら家まで歩かせたり(全長20km近くある)していましたが、夏の間2-3回しか見回りに来ないから牛たちは半分野生化しているし、夏の間に生まれた子牛たちは人間など一度も見たことがないから、その人が姿をあらわしただけで林の中に消え去ってしまったり、牛を連れて帰るのも結構大変な仕事でした。「うちの柵を使ってくれていいから。」と何度も言ったのですが、「いや、面倒かけるの悪いから。」とずーっと遠慮していたのですが、一度につかまらなくて何日も来なくちゃいけないのなんてよけいに大変だと思いました。

ここ3年ほど、秋もかなり深くなるまで放牧しておいて、食べ物が少なくなるころベールや穀物を何回か持ってきて馴らして、そのあと我が家の前を通ってうちの柵まで連れて行ってからトレーラーに乗せるようにしていました。今年もそうすることにして、ウィルソンさんが穀物の入ったバケツで先導していましたが、子牛が2匹だけはぐれてしまって、もといた放牧地に走り戻ってしまいました。グレッグはトラックの免許をとるコースを受けているため留守だったので、「私手伝いましょうか?」と聞いておきましたが、「人馴れしてないから、人が少ない方がいいと思う。」ということだったし、結構お年寄りの牛が多かったので見知らぬ私よりは飼い主のウィルソンさんの言うことの方がよく聞くだろうからと、手伝わずにいました。

子牛2匹以外はみんな後をついて柵の中に入ったのですが、ふと気がつくとウィルソンさんは、その中からお母さんの牛を全部選り出して、放牧地に戻したのです(そのはぐれた子牛がどの牛の子供か分からないため)。子牛は親牛たちがいればついてくるので今度はみんなで一緒に柵の中まで戻っていきました。家の中から時々様子を見ていた私は、「すご~い」と感心してしまいました。なんかうちの牛たちだったらあんなふうにおとなしくついていかないような気がする。「われ先に」と走り去ってしまいそう。

そこまでやったら暗くなりかけてしまったので、持ってきたベールを柵の中に入れて、一晩そこで過ごしました。ウィルソンさんは今日戻ってきて、牛たちを家につれて帰りました。この放牧地(州政府のリースの土地)はうちのすぐ横だし、ウィルソンさんのところからは20kmくらい離れているわけだから、手放して私たちにリース権を譲ってくれないかしらと毎年思っているのですが、毎年15頭くらいの牛を連れてきます。(ーー;)160エーカー(70ヘクタール)あるのだから、もっと多くの数の牛を放牧させるべきなのに、土地がやせてる上に肥料を撒いたりもしないから、15頭がせいぜいなんてもったいない限りです。何とか気が変わってくれないかと期待しているのですが、33年のリースを解約するつもりは全くないみたいです。残念・・・・・

今朝外出先から帰ってきたら、これだけの牛が残っていました。
ウィルソンさんの牛


最後の牛たちをトレーラーに乗せて連れて帰りました。
ウィルソンさんのトレーラー


このようにみんなが家に帰る中、私はうちのサメ軍団のために毎日ベールを運んでいます。ベールはいいんだけど、大変なのは水やり。凍ってしまうので、ホースやポンプの水は毎日抜いて、水飲みタンクの中の氷を割って取り出して、急な坂を3往復登ったり降りたりして・・・・・絶対あと一月もやりたくな~い!

水飲みタンクx2の中に残った氷を斧で割ってすくって外に捨てます。今日は凍るまでにほとんど飲み干してあったので、氷が薄くてラッキー。3cmくらいの氷が張っているときもあります。もっと寒くなったらもっと厚くなる・・・・
氷を割ったタンク


ビーバーが水をせき止めてできた沼地です。すっかり凍ってしまい、犬のチビは歩いて向こう岸に渡っていました。正面の坂を登ったところが夏の放牧地でした。
ビーバーの谷


氷に穴を空けて水汲みのホースの先を入れます。ワカサギ釣り?
氷に穴あけ


この寒い中、ホンダさんは頑張ってくれます。
ホンダさん


勾配何度でしょう?とにかく急です。水を抜くときに流れやすいので、一番上と一番下を特に注意すれば、凍ることはないと思うのですが。一度凍ったらそれでもうおしまいだから、確認のために一往復余分にホースを空にしながら歩きます。
急な坂道


あと一月ここにいるですって?トラックの免許のコースが終わったら、グレッグに餌やりやってもらいます。気が変わるかもしれない。もし出稼ぎに行くことになっちゃったら?その日のうちにサメ軍団を連れて帰ると思います。






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  1. 2006/11/03(金) 14:05:34|
  2. | コメント:8
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コメント

なんだか胸が痛くなるような、大変なお仕事ですね。これからまだまだ続く寒さの中の作業、健闘をいのります。
  1. 2006/11/03(金) 16:33:06 |
  2. URL |
  3. A&M #-
  4. [ 編集]

これだけ寒くて雪も積もってるのに、まだ放牧というのは大変ですねぇ。
ご苦労様です・・・。
これは本当に、Gregさんを納得させるしかありませんね。敵は身内にあり。Junkoさん、がんばれ~♪
しかし本当にここ数年、農業事情は芳しくないですよね。Wheat Poolも毎年どんどん縮小というか構造改革?してるし。
うちの義姉カップルも、今離農に向けて準備中です。旦那さんの方が、もうイヤになっちゃったそうで。私としてはちょっと切ないんですが、やはりそれだけ大変なんですよね。。。
州政府も税金下げるだけじゃなく、農業のサポートもっと頑張って欲しいものです。
  1. 2006/11/03(金) 20:16:45 |
  2. URL |
  3. じゃすみん #-
  4. [ 編集]

カナダの農業事情って、あんまり良くないんですね。出稼ぎに行かなくちゃならないとは・・・。アメリカみたいに(?アメリカの農業事情もよく知らないですが・・)広い国土を何百ヘクタールもある大農場で、大規模農業をしているイメージがあります。
小規模農場もあるんですね。(小規模と言っても、日本で言えば、大規模くらいの面積がありますが)

ウィルソンさんの話を読んだら、肉牛が放りっぱなしなので、野良牛化してしまって、連れて帰るのが、大変そうです。うちみたいに、毎日鐘を鳴らしてエサをやっていると、とっても楽なのに・・。

それにしても、毎日の凍った水槽の仕事は、大変そうです!寒いのに。私だったら、断固拒否ですね~。
  1. 2006/11/03(金) 21:56:38 |
  2. URL |
  3. うしおばさん #-
  4. [ 編集]

・・・・・・・・

広大な平原で、大規模な(日本と比べて)頭数を経営しているということが、出稼ぎに行かなければならないほど大変だとは思っても見ませんでした。私たちが考える大規模とカナダでの大規模はきっと規模が違うのでしょうね。やり方や、場所などによって余裕の経営をされている牧場もあるのでしょうか?
 日本の緻密な農業とどちらがいいのか考えてしまいます。
 
 いずれにせよ(日本であれ、諸外国であれ)そうやって苦労して作った野菜やお肉や牛乳などなど、適正な価格で(苦労に見合った価格で)取引されて、もっと感謝して消費して欲しいものだと思いますね。

ハードな毎日、体を大切にしてくださいね。

  1. 2006/11/04(土) 05:57:05 |
  2. URL |
  3. おかん #-
  4. [ 編集]

A&Mさんへ

別に胸を痛めてもらうほどのことではないですよ。昔都会で暮らしていたころのことを思い出したりすると、何たる違いだろう・・・・・と、自分でおかしかったりします。まさか、カナダの超田舎で斧で氷割ってるなんて・・・(笑)
  1. 2006/11/04(土) 12:26:54 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

じゃすみんさんへ

グレッグは週末は授業がないから、代わりに餌やってもらおうと思っていたのに、今週末とても暖かいらしいですね。うれしいんだけど、なんか悔しい微妙な気持ち。

お義姉さんのところ(ティズデールの近くでしたっけ?)、離農予定なんですか?でも、いいかげんいやになる気持ちよく分かりますよ。どこで切りをつけるかですもの。もしじゃすみんさんが自分でやってたら、かえって切なくないかもしれませんよ。さばさばしたって思うかもしれない。
  1. 2006/11/04(土) 12:30:43 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

うしおばさんへ

ウィルソンさんのところ、牛全部で300頭以上飼っているんですよ。いろいろな放牧地に分けているんで、なかなか全部回りきれないのと、夏の間はそれだけの数の牛のための冬の間の餌を確保しなくちゃいけないから、収穫に忙しいのもあります。おにいさんと弟(ここに来た人)の二人で全作業していますし、よく働く人たちです。でも二人とも独身(お兄さんは40代後半、弟は30代半ば)でご両親と同居しています。カナダではそういうの珍しいです。お兄さんは完全に婚期を逃してしまった感じがするけど、弟はどうなんでしょう・・・・ガールフレンドとかの話も聞いたことないし。いつ見ても仕事してるし。

300頭以上も飼っているから、何で15頭しかここに放牧させないんだろう、もったいないな、って思ってしまいます。でも、土地が良くないから、それ以上おけないんでしょうね。
  1. 2006/11/04(土) 12:39:19 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

おかんさんへ

この前おかんさんが全共の枝肉大会で売れた金額からかかったコストを引いて・・・・って記してくれてましたよね。その、残る金額が全く違うわけなんですよ。

だから、数に頼らなくてはいけないんですけど、数が多くても少なくてもトラクターを動かすとか、水呑場(放牧地のではなくて、家の近くにある電気の通っているもの)の電熱をつけておくとか(凍らないように)そういうコストは同じようにかかるわけですから、数が多い方が一頭当たりにかかる金額が少なくなるわけですよね。

100頭以上いないと、採算が合わないって書いてあったと思います。だから、うちはまだまだなんです。そういうところは出稼ぎとか他からの収入がないとやっていけません。

カナダでも牛乳は農家割り当て制になっていて生産した量は決められた価格で必ず買い取ってもらえるので、酪農家は結構豊かです。肉牛生産は市場の流れのままで何の保護もないので、近年のようにBSEとか出たりすると、もろにその影響を受けます。質より量という考えがまだ大半で、消費者も「安ければいい」という風潮がまだ根強く残っているから、なかなか「牛肉の違いにこだわりを持って」育てられないわけです。見返りがないから。大陸的なのかな?一言で言えば大雑把ですね。
  1. 2006/11/04(土) 12:53:26 |
  2. URL |
  3. jordefarms #-
  4. [ 編集]

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